機械学習の導入によるSoCのクオリティオブサービス(QoS)の向上

  • By Don Dingee
  • 29th 7 2016
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SoC設計におけるQoSの問題に取り組んできた企業がありますが、その情報から明らかになってきたのは、いくつかのアプローチをハイブリッドQoSソリューションとして統合したものが、最適なアプローチであるということです。NetSpeed Systemsは先日のLinley Group Mobile Conferenceで、思いもよらない試験的な工夫を論理合成に取り入れたこのようなソリューションを紹介しました。

QoSの実態は、一見してわかるほど単純なものではありません。優先順位の高いトラフィックがシステム内を移動し、優先順位の低いトラフィックがブロックされるというある種の優先方式にトラフィックを割り当てる以外にも、多くの要素があります。NetSpeedのJoe Rowlandsはこれを「損失の多い」情報転送と呼びました。トラフィックパターンに対するローカルな決定は、ローカルな問題を解決する可能性はありますが、必ずしもシステム全体の性能を向上させるとは限りません。

 IPブロックはさまざまなQoS言語を使用する傾向にあるという事実を取り上げましょう。これは、最初の段階でQoSを抽象化する際にネットワークオンチップを使用するケースです。この図を見ると、複雑さと優先順位が明らかになります。

Article: A Brief History of Semiconductors-soc-traffic-priority-classes-jpg

これらの分類方法は興味深いものです。「可変」と「動的」の違いは、データトラフィックとユーザーインタラクションの違いです。また、GPUは「低」に割り当てられているため、メモリバンド幅が十分にあり、通常、その大部分のタスクより高速で実行されると想定されます。さらに、カメラを「リアルタイム」にしているのが特徴的です。ピクセル処理エンジンの場合と同様に、起動時のある程度のレイテンシは許容されますが、カメラが回り始めたら、処理を確実に進める必要があります。そうしないと、許容できないギャップが出力に生じます。

この図の上に、消費電力最適化の各ステップ、エージェントの順位付けの問題、およびキャッシュコヒーレンシとメモリ制御の問題を重ね合わせます。複数のアプローチをまとめて問題のさまざまな側面を解決することを表す言葉は数多くありますが、NetSpeedは、いわゆる階層状のSoCインターコネクト合成ソリューションを使用しています。NetSpeedのソリューションには重要な要素が2つあります。従来のメモリキャッシュまたはネットワークの他のポイントでコンフィグラブルなキャッシュとして機能する「最終レベルのキャッシュ」ブロックであるPegasusと、コヒーレントなNoC IPであるGeminiです。

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複数のキャッシュコントローラと特殊なアクセラレータを備えたGeminiは、公式に実証されたデッドロックフリーのインターコネクトにおいて絶大なコンフィグラビリティを実現します。NoCをどのように構成すればよいでしょうか。NetSpeedは、ルータのトポロジとリンクの幅、仮想チャンネル、およびバッファサイズを設定するためのNoC合成の問題に機械学習アルゴリズムを導入しました。QoSを単にルータごとに設定するのではなく、バンド幅をシステムレベルで割り当てて、低消費電力モードのケースを占める徹底したQoSを目指します。

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トラフィックベースの適応性、消費電力の制御、およびキャッシュのコンフィグラビリティを、機械学習によるルータ構成と組み合わせることで、信頼できる結果が得られます(競合するNoC実装の結果を比較することは、すべてのバリエーションで同じ複雑なSoCを実装しない限り、ほとんど不可能です。その場合でも、さまざまな最適化手法によって異なる結果が生じます。その好例については、Apple A9の2か所の提供元からの情報を参照してください)。NetSpeedは、手動バンド幅調整と自動NetSpeed合成を使用する、いわゆるTier 1モバイルOEMのグラフを提供しています。NetSpeedの自動化が、検討されたすべてのユースケースのバンド幅で、場合によっては大幅に他を圧倒していることが明らかです。

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NetSpeedは、開発時間のメリットも主張しています。これは、手作業で何度も試行錯誤を行うのがどういうことかを考慮したのだと思います。機械学習による最適化プロセスにどの程度のシミュレーションが必要かについては情報が提供されていませんが、重要な事前のシミュレーションでさえも、待つだけの価値はあるようです。シミュレーションの内容に関する詳細については、NetSpeed Gemini productのぺージ をご覧ください。

EDAツールはきわめて複雑な設計最適化の問題を自動化することにより、システムレベルの専門家を脅かしている、という話をますます頻繁に耳にしています。これは、自社で製造すべきか購入すべきかについての典型的な対立であり、作業を効率化するツールを採用することによって、長年の経験が脅かされているように見える可能性があります。しかし、この新しい業界の環境において重要なことは、かなりの数の専門家が進めている大がかりなモバイルSoC設計ではないでしょう。このようなタイプのツールのターゲットには、組織で長年のSoC設計の経験が積み重ねられていない、IoTのような領域におけるミッドレンジ向けのSoC設計が考えられます。NetSpeedのようなツールは、そこそこのシステムレベルの経験を持つチームが、適切に最適化されたチップをより短期間で設計できるよう支援します。

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